2025年度奨学金活動報告
2025年1月 | 2025年度ガチホ塾クリプト奨学生募集要項が決まる |
同2月 | 1次選考実施 |
同3月 | 2次選考実施 |
3月25日 | 奨学金受給者決定、電子メールにて通知される |
※クリプト奨学金について問い合わせは何時でも受け付けています
・2025年度小論文に出題された問題
クリプト奨学金について はじめまして、クリプト奨学金を提供しているガチホ塾の塾長です。 塾と奨学金を設立するに当たって、その名前を何にしようか考えていて当初はクリプト奨学金(クリプト塾)か「学思塾(学思奨学金)」かどちらにしようかと真剣に考えていたことがあります。 最終的に塾の名前をガチホ、奨学金はクリプトで落ち着きました。 学思とは孔子の言葉とされる「学んで之を思わざれば即ち暗し、思いて之を学ばざれば即ち危うし」から「学んでさらに思う」という意味での造語です。 学習塾というのは世の中に沢山あります。 学んで(つまり理屈を理解して)さらに学んだ内容の習熟を目指して繰り返し繰り返しドリルを解く、それによって特に考えなくても問題を目にしたら解法が頭に浮かぶ、これを教えているのが学習塾です。 試験には制限時間というのがあります。 制限時間内で最高のパフォーマンスを実現しようとしたら、アレコレ考えている時間は少ない方が良い。 学習塾というのは考えない人間を作る装置です。 試験を前提とした学校教育自体が人間を思索から遠ざける装置です。 学思は違います。 学んだ上で、さらにその学んだ内容について思索を巡らす、それが学思です。 自分が学んだ内容がそれで良いのか?もっと良い考え方はないだろうか?それが学思です。 ただ正解を暗記するのではない、ただ解法を沢山覚えて「今、この場で使えそうな解法を上手に当ててみせる」のでもない、自分で考えた自分なりの正解にたどり着く、たどり着こうとする、その試行錯誤が学思です。 それで、この学思、何の役に立つんですかね?孔子の言葉自体に学思を当て嵌めてみましょう。学ぶこと自体は先人たちの知の蓄積があって、それを学ぶことが「学ぶ」です。 その学んだことについて自分なりに思索を巡らすと言っても、いまさら何か目新しい論点ってあるんですか?自分より遥に賢い人たちが考え尽くしたことなのに自分なりの論点だと思ってウダクダ思索を巡らしても、それは誰かが既に検討済みの論点なんじゃないですか? 自分より賢い人たちが検討済みの論点については先人から学べば済むことです。 そして、たいして賢くもない僕等が何か新しい論点を思索の結果見出すとは思えませんし、未回答の論点について先人たちが到達した地点より1ミリでも先に進めるとも思えません。 学思は単なる時間の無駄ではないのか?これは僕が過去60年ほどズッと抱えてきた疑問です。 さらに最近はもう一つの疑問も持つようになりました。 AIが急速に発達して人間より効率良く学べるようになってきました。 学んだ後の思うことだけでなく学ぶこと自体も時間の無駄じゃないですか? あなたは今、奨学金を貰ってまで何かを学ぼうとしていますが、それって社会全体にとって何か役に立つことなんですか?学習巧者になって誰かが答えを知っている問題(そうでないと後で採点が出来ない)に制限時間内に満点の答えを返すことに何の意味がありますか?答えを知っている人がいるなら、その人に答えを教えて貰えば良いだけでしょ?学思を志しても、どうせ答えの出ない問題に自分の人生の時間を浪費するか、無知ゆえに先人が既に検討済みの問題を新たな論点だと思って取り組んで自分の人生の時間を浪費するかでしょ?そして学ぶこと自体5~6年もしたらAIに追い越されて終わりじゃないですか? それでも奨学金で何か学びたいですか? 最後に自分の応募内容に間違いがないか確認してください。 |
・2025年度の小論文に対する解答例
たしかに、現代において新しい論点を見つけて検討することは難しいことだと思います。 しかし、学んだことについて思索を巡らす行為は、決して無駄なことでは無いと私は考えます。 なぜなら、問題の答えを見つけるために試行錯誤するプロセスに、学思の意義があると思うからです。 ある論点について考えるとき、関連する書籍等を集めて内容を照らし合わせたり、他の研究を学んで見識を広げたり、その分野に精通する先生方から見解やアドバイスを貰ったり、それらの材料を整理して検討してするなどのプロセスを経験します。これは、試験をクリアするための勉強には必要のない過程であり、人はこのような経験から考えるための方法を知り、考える力を身につけるのだと思います。 さまざまな物事について、きちんと自らの頭で検討できる大人が増えることは、社会にとって価値のあることだと私は考えます。逆に、与えられた問題に対して、無思考に答えを導き出すマシーンになるだけであれば、人間よりもAIのほうがよほど得意であり、AIが発達する現代においてそこに価値は無いと思います。 また、私が学ぼうとしている歯科衛生学に関していえば、先人たちが築いた歯学に関する理論を学ぶことが、歯科衛生士として必要な技術を身につけることにつながります。 歯科衛生士が担う主な役割の一つに、歯の汚れを取り除く等の処置により、人々の歯や歯肉を病気から守るという役割があります。歯石除去のような処置を行うための技術は、経験を積んだ講師の先生方から指導を受け、さらに実習を重ねることで初めて身につけることができます。 加えて、ライフステージに応じた歯の磨き方や効果的な食生活習慣を患者さんに指導することも、歯科衛生士の重要な役割の一つです。 人間の数だけ形や状態が異なる口内について、患者さんそれぞれの生活スタイルなども鑑みながら、一人ひとりに合った適切な指導を行うには、知識量だけでなく、患者さんとのコミュニケーション力も求められ、これはAIには難しい業務内容であるといえます。 健康な歯を長く維持し続けることは、全身の健康維持にも繋がることであり、それには予防歯科が欠かせません。 2023年度の新卒歯科衛生士の有効求人倍率が23.3倍にのぼるなど、歯科衛生士不足が問題となっている昨今において、私が歯科衛生学を学ぶことは、少なからず人々の役に立つと考えています。 応募内容に間違いありません。 |